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塩味ビッテン
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少年が大人に、ワルが悪党に成長するためのトレーニング、それがギャングスターレッスン。 名作「ヒートアイランド」の続編ですが、あんなに輝いていた主人公・アキが借りてきた猫みたいになっちゃって・・・
塩レビューで有名な私が、近来稀なる傑作として5点満点をつけた「ヒートアイランド」が、あまりにも面白かったので、けっこう期待していた続編ですが、うーん、やはり2作目って言うのはろくでもない。犯罪小説とし てはそこそこ楽しめるのですが、仕掛けも、ストーリーもひねりも小粒で残念間満点です。 
 
 まず、説明が多すぎる。ハードボイルドを気取っているのか、車、銃、とギミックをとくどく説明されるのもリズムが悪くていまひとつです。読者はディテールよりもストーリーを期待してますもんね。
 次に、いくら修行の身であるとはいえ、主人公であるアキが卑小すぎる。やはり彼のきらりと光る才能の発露を読者は期待しています。
 第3に前作は東京が舞台で、じっくり物語が書き込めてあったのに対し、本作では海外、離島、高速道路と、腰が据わっていないので、薄っぺらな印象が否めない。
と悪口ばかり書いていましたが、並以上の水準は保っているのですよ。ストーリーをかいつまんで話すと

 渋谷で地下格闘イベントを主催していたアキは、窃盗団の柿沢、桃井の仲間となることを決意します。プロの仕事師となるためには過酷なトレーニングと学習「ギャングスター・レッスン」が必要であり、アキがこれに耐えて実践デビューするまでの成長譚。

 最後に実践の襲撃があるといはいえ、レッスンが中心で次作へのつなぎという印象が強い。まあ「天切り松(浅田次郎)」、もプロの泥棒となるまでに修行を積 まなければならなかったし、最近のゆとり世代の学生たちにもこのくらい一生懸命がんばってほしいなという、エールにも取れます。(ナルトだって黒崎一護 だってずいぶん努力してるもんね)。
 
この後、サウダージ、ボーダー、とこのシリーズ続いていくわけですが、4部ものの起承転結の「承」が面白かったためしがないというのが世間の常識です。「起」のヒートアイランドの爆発力がメガトン級だっただけに、以後に期待しましょう。
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塩味ビッテン
塩味ビッテン さん本が好き!1級(書評数:2220 件)

「本を褒めるときは大きな声で、貶すときはもっと大きな声で!!」を金科玉条とした塩味レビューがモットーでございます。

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